Dankogaiさんの上げられた起業に関する都市伝説のリストがたいへん面白い。
404 Blog Not Found:惰訳 - 起業における神話トップ10
合州国のことではあるのだけど、日本でも共通してることがあまりに多いので。
あんまり面白かったので、起業から1年半を経た近江商人が自らの状況を可能な限り赤裸々にしつつ、反証を行ってみたいと思います。
1. 起業には大金が必要
『NO』
上原仁個人が創業時に準備できた資金は約400万円でした。'07.3月の増資前に最もキャッシュのやばかったときが100万円切りくらいでしたので、
典型的な起業には、$25,000程度しか必要ありません。
この数字、かなり正確ですね。私の場合は創業してすぐに仲間たちの手持ち金も合わせていったのでその点は特殊かもしれませんが、起業しようとするときの最低個人資金は300-400万円くらいと見ておくのが正解なのではないでしょうか。
2. ベンチャーキャピタリスト(VC)は起業の資金調達手段として適切
『N/A』
私の場合は業種がインターネット関連で、創業9ヶ月目にリクルートさんと住友商事さんのいずれも金融部門(≒VC部門)に資本を入れていただいています。出ている数字で言うと、業種は81%のマジョリティ側ながら、起業段階(創業1年以内)で投資を受けた25%のマイノリティということになります。とは言え、上記2社との接触はいずれも創業以後。起業してからの話でしたよ。
3.エンジェル投資家のほとんどは富豪である
『NO』
私の場合、ミクシィ代表の笠原さん・AMN現取締役の徳力さん・もう1名の計3名に、創業当初に個人出資をいただいています。比率は微少な%で簿価(ex:額面1万円の株を1万円で買ってもらった)です。2006年7月の当時、ミクシィは上場前ですので「金融資産100万ドル以上、年収20万ドル以上」には笠原さんも当たってなかったと思います。徳力さんももう1名の方も当時サラリーマンでしたのでまったくもって富豪ではありませんでした。
4.借り入れでは起業できない
『NO』
マイネット・ジャパンの資本内訳は現状で6,200万円の資本金・資本準備金と、1,000万円の国民生活金融公庫からの借入金(どちらも調べる人が調べたらわかるので公開)となっているので、86%が出資・14%が借入です。起業時から公庫融資を受けていたわけではありませんが、周囲の起業した友人からは「起業するなら何はともあれ公庫融資は使っておき」と言われていました。ここまでの感覚上、たぶんそれは正解です。
5.銀行が起業段階で貸すことはない
『N/A』
これはどうでしょう。日本では「銀行」の方々はまだまだ担保ありきの融資が基本でますので、難しいことは確かだと思います。少なくとも創業期に銀行から融資を受けようと思うと信用保証協会の保証は必須と考えておくのがよいと思います。また、銀行の前に公庫に相談するが吉です。「起業環境が整っていない」と言われる日本ですが、「スモールビジネスを起こす」上では国民生活金融公庫の存在によってUS以上の最強の起業環境になっていると思います。
6. 起業家の多くは見通しが明るい産業で起業する
『YES』
私の場合は、ですね。インターネット産業の見通しは100年明るいと信じられたのでこの業界で起業しました。
7.起業後の成長を決めるのは、起業家の才覚であって起業先の産業ではない
『NO』
これはミクロ視点でも感じます。成長産業にいることでビジネスチャンスも人材流動も社会のアテンション量も多く、成長機会を得ることが多いです。たとえものすごい才覚があっても、成長機会がなければ成長しません。
8.起業家のほとんどは金銭的にみて成功者である
『NO』
私の2007年所得(昨年)は2005年所得(NTT時代)の4分の3です。
ここは驚く人が多いのでしょうね。一度実際に試算してみられるといいと思います。私の場合、3年前本気で起業する気になって、想定売上と家賃・通信費・設備費・人件費などなどを試算してみたときに、自分(社長)の給与収入が大企業サラリーマン時代の収入を上回るには売上3億・社員一人当売上1,200万円以上まで行かないと無理、と悟りました。
9.起業の多くは投資家の満足がいく成長をとげている
『NO』
合州国において毎年起業される59万もの会社のうち、6年以内に年商1億ドルに達するのはわずか200社。年商5千万ドルだと500社。年商500万ドルでさえ、6年間で到達できるのは9,500社にすぎません。
いやー「6年で5000万ドル」とかってDeNA級なわけで。目指していきたいですねー。
10. 起業は楽である
『NO(笑)』
そんなこと思っている人いるんですか?(笑)
ほとんどの人は、起業までたどりつくことにすら失敗しています。
いや、ほんとそうだと思います。ここ10年で「将来起業する」と本気で言っている人に100人以上会ってると思うけど、現時点で本当に起業できているのって10人くらい。
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書く前から予想はしてたけど、何だか身もフタもない内容になってしまったな。だからみんな起業済みの人はこういった現実のことを明文化しないんだろうな。後に続く人が出てくれなさそうな気になってきますね。
でもね、明確に言えることが一つありますよ。
『起業は楽しい』
「楽しい」と言っても遊びで楽しいとかとは異なりますが、やっぱり毎日ひたすら感じる「えも言われぬ充実感」はかけがえがないですね。楽しくて仕方ない。もしもう一度1年半前に戻れたとしても、やっぱり120%起業していると思う。
1月11日は「広告系ブロガー新年会」に参加していました。幹事を勤めてくださったmediologicタカヒロさん、広告会議さん、コウコクデアソブさん、ありがとうございました。
すでに広告会議さんが参加者の感想エントリーのまとめをなさっていますが、なんともいやはやアツい場でした。久々ですね、オフ会で味わうこの感覚。参加者総勢95名。広告代理店等に勤める文字通りの「広告系ブロガー」な方々を中心に、メディア側の人、ネット企業で広告サービスをやっている人、「あんた広告関係ないがなっ」という人(キャズムの人とかw)などなど。
最初座ったら隣が広告βさんで驚いたり、3年以上RSS購読し続けている方と初めてお会いできたり、先日スタートしてチェックしまくりの業界人間ベムさんの顔と名前が一致したりと、かなりアツアツの楽しい時間を過ごさせていただきました。
いろんな方とごあいさつしていろんなお話をさせていただいたのですが、個人的にえらく印象に残ったのが、自ら最年長だろうとおっしゃっていた「広告とABC/ABMについての考察」の方との会話。自己紹介の折にこの「広告」と「ABC/ABM」を並べて思考していらっしゃる方がいると知ってとてつもなく興味を引かれました。
「ABC/ABM」というのは「活動基準原価計算/活動基準管理」の意で、要は間接費をリニアに管理しようとする手法。ある意味(今の?日本の?)広告業の有様とはちょうど間逆にあたる手法であり、そこを同時に語ろうとしている人の頭の中身を知りたくて仕方なくなりました。
トイレに行こうと思ったところでたまたますれ違ったので、ご挨拶してそのままトイレ前で20分くらい議論させていただいて、なんとも勉強になりました。外資系代理店では既にフィーの見積にABC/ABMが求められているということ、ある意味ネット広告側では活動/結果とフィーがリニアになりすぎることを避けていく方向が求められつつあるのとちょうど間逆の波が外資代理店を切り出しにして起こり始めている、という話。興味深い。
あと、、自己紹介がまわってきたときに、流れ的に何かウケ狙っとかななー、と思って「趣味は○上です」という自虐ネタをやってしまったのですが、二次会で徳力さんらにこっぴどく叱られました。「あんたはそっちのキャラで行きたいのか!」と。すいません、もうしません。
あと、元ドリコム加藤氏の退職時経営陣非難発言について、会に来ていた'07新卒ドリコム社員たちと話した上で改めて感じたところがあったので擁護的に「私たちはあれを一般社会がする”言っちゃいけないこと言っちゃった”的な捉え方をするべきではない、ブログコミュニケーションを知る者としてエントリー単体でなく連なったTB/コメントや彼の前後エントリーを見てより文脈全体で捉えるべき。」というようなことを話したところ、これまた二次会で同じテーブルにいらした方々に叱られました。うーん、そうなのかなー。この話はまた別途書こう。
また、ブログ周辺での大きなテーマである「コミュニティの蛸壺化と蛸壺間交流」について、おそらく今回の新年会で「広告系ブロガー」というすばらしい蛸壺が形成されたわけですので、次はたとえば「はてな蛸壺」とか「ケータイ小説蛸壺」とかとの蛸壺間交流の場がセットされたりするとものすごい価値高いんだろうな、なんてことを思いました。
なんか話がごちゃごちゃしてしまいましたが、なにぶん得がたい出会いと思考をたくさんいただきました。皆様ありがとうございました!
・・・ところで近江商人って広告系ブロガーだっけ?
吉松さん、さすがだなぁ。ほんとうまい。
アイスタイル、美容業界に特化した転職情報サイト「@cosme Career」開設 : Venture Now
既に軌道に乗っているメディアを軸にした展開については、数年前から考えていたことだが、今回の@cosme Careerは昨年夏頃より具体的に話を進めた。そもそもは、コスメ/美容関連の業界に特化した人事メディアで大きなものが見当たらなかったのがきっかけ。弊社では@cosmeによって既にブランド力を持っているため、あとはコスト面を考えればビジネスとして成功すると考えた。
マーケットニーズはある、メガコンペティターが(ネット側には)いない、カスタマー集客メディア持ってる、ブランドイメージ合う、こんな見事に鉄板な新規事業はなかなかないと思う。強いて言えば、モバイルは当初から作っとく対象領域じゃないかな、くらい。
クライアント獲得ではリクルート媒体やリクエストQJとかとガチンコになると思うけど、チャネルはどうするのかな? katy(ケイティ)のクライアントさんたちにおすすめしたいな。
2008年1月1日付で、マイネット・ジャパンに2名の執行役員が就任しました。一人はCTOの松尾康博、もう一人はkaty事業の事業リーダーである藤川秀行です。
1975年生。九州大学大学院情報システム科学研究院卒。2001年、フューチャーシステムコンサルティングに入社。同社アプリケーションサーバの研究開発をリードし、顧客案件への導入・サポートにも従事した。その傍ら、学生時代から並列スーパーコンピュータ・並列データベースなどの分散並列処理の研究開発も行い、欧州でのグリッドコンピューティング構築実績を持つ。マイネット・ジャパンには2006年12月に入社し、CTOとして事業全般の技術統括を担当。2008年1月より技術主導のサービス開発の必要性からnewsing(ニューシング)事業の事業リーダーを務める。
1979年生。慶應義塾大学経済学部卒。大学在学中にケータイに特化したCRM支援ツール、モバイルリサーチ事業を主軸とした会社を共同設立。卒業後、 2002年NTTコミュニケーションズ入社。コンシューマ向けマーケティングに従事し、Webサービス新事業の立ち上げ、会員向けモバイルサイト構築などを行う。マイネット・ジャパンには2006年11月に入社し、katy(ケイティ)事業の立ち上げから企画・マーケティングを担当。全国4,000店舗(08年1月時点)へのサービス提供を牽引している。
2008年1月よりこの件を含む新たな体制を敷いて、これまでより一層お客様・ユーザーの皆様へのサービス価値を向上してまいります。今後ともマイネット・ジャパン及び当社サービスをどうぞよろしくお願いします!
遠目に拝見していても、CNET Japanさんとしてもおそらく梅田望夫氏らを並べた識者ブログ以来のヒット企画なのでは、と感じているCNET Japan オンラインパネルディスカッション。(読者側のUI・遷移は微妙、という話はそのうち改善されると思うので横に置きつつ、)ウェブ業界のリアルタイムなテーマに対して様々な視点を知ることのできるマジックミドルの集約メディアとして、今後一層面白くなってくるのではないでしょうか。
この企画のスタート当初から、マイネットのCTO松尾がパネリストとして参加させていただいていたのですが、今回改めて私もパネリストの一員として名を連ねさせていただくことになりました。
パネラー紹介:上原仁:CNET Japan オンラインパネルディスカッション - CNET Japan

くれぐれも、ウェブ業界を蛸壺する方向でなく、ウェブ先端で動いている物事を世間様にわかりやすくお伝えする役割の一旦を担えたらな、と思います。どうぞよろしく。
デジタルガレージさんがTwitterとの資本提携を発表したとのこと。業界内でのTwitterのプチブームから9ヶ月。早いか遅いかは別にして、目線としては間違いなくPositveと捉えられる知らせだと思います。
デジタルガレージがTwitterと資本・業務提携--春までに日本語版を提供:ニュース - CNET Japan
デジタルガレージでは今後、ローカライズを中心にグループでTwitterの日本展開を支援するとしており、TwitterのCEOであるJack Dorsey氏は「すでにデジタルガレージのエンジニアと机を並べて開発作業に着手している」とコメントしている。両社は2008年春までにPCおよびモバイル向けに日本語版サービスを提供する予定だ。
Twitterのサービス自体はすでに多くのクローンも登場しており、技術的にすごい何かがあるというわけでもない。しかしながら、ウェブに参加する手段として普及のキャズムに嵌っていると捉えられる「ブログ」(MovableTypeやBloggerを起源とするRSS/トラックバック機能を備えた個人向けCMSツール)を横目に、Twitterに代表される「ミニブログ」と表されるサービス群がその代替ツールとして一般普及する可能性は十分にあるものと考えられる。今回のDGとの資本提携が吉と出て、国内でのTwitterのマーケティングが一般向けに成立するかどうかはたいへん興味深い。
先般はてながリリースしたはてなハイクをはじめ、井の中のプチブームから本格普及へ向かう動きは要注意。ミニブログの「ウェブ参加の垣根を下げる」上で果たすべき役割は大きいと考える。
ちなみに、マイネットがnewsing(ニューシング)を開発する段階でもこの「ウェブ参加の垣根を下げる」を大きなコンセプトの中心に置いていた。「ニュースやブログを引用して一言コメントでウェブに参加できる」という側面だ。(後だしジャンケンじゃないよ(^^;;)また、○×だけでウェブに意思表示できる、という側面も同様。
個人的には今もこの「垣根を下げる」の方向をとても大事にしていて、現状はどうしても「投稿」という心理障壁の高い行為に写ってしまうnewsingピックアップを、もっとユーザーの皆さんが気軽に記事投稿して、ミニブログ的にも使ってもらえるような状態にしていきたいと思っている。
話が自分のことに移ってしまったが、なにぶんこのDGのTwitter提携が上手く機能して、国内での「ブログの次」競争に火がつくことを期待したり煽ったり。したいと思う。
■メンバーブログ(TOP)
上原: 近江商人JINBLOG
綱島: 技術営業がゆく☆
橋詰: モバイル魂
保田: ちょーちょーちょーいい感じ
松尾: 毎年戌年〜ドッグイヤー業界の今〜
藤川: Every little helps
平島: treasuring misc.
中元: わくわく放熱ランド
川口: ハードワークとスローライフの両立日記
土川: 総務部長がゆく
内野: 一休ブログ
辻 : されど空の青さを知る
伊藤: HACK IT OUT
白石: Shiraishi
北村: On The Bridge
日比野: たつやブログ
沖本: MaccleStore
篠宮: しのたんブログ
河村: kawamura
■チームブログ
Ent2.0: まあ待て、社内ブログを買う前に
gungi: 軍議武録 ~ Going to the Victory
newsing: 今週のnewsing
■スタッフブログ
会社: Mynet Japan Info Blog
newsing: newsingスタッフblog
katy: katy(ケイティ)スタッフブログ
イントラ: イントラnewsingブログ
■メディアブログ
上原: 近江商人JINBLOG - CNET Venture View
上原: どこでもドアを創りたい | あすなろBLOG
松尾: こちら側からあちら側へ | あすなろBLOG
■アドバイザーブログ
徳力: tokuriki.com:ネットコミュニケーションの視点
藤代: ガ島通信
大橋: シゴタノ!
住 : 住 太陽のブログ
木村: 非公式ウェブシャーク社長日記
■RSS登録
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仕事、趣味、知識、日常と、自由に書きつづるブログから垣間見える一人一人の個性をお楽しみください。
私はこのブログの他にも目的別のブログをいくつか持っています。
そのうちでも結構まともに更新しているものがあって、それを見つけた方から先日「隠しブログですか」と尋ねられました。実際は隠しているようないないような微妙な状態だったのですが、検索すれば出てくるし、まあ別に隠すようなものでもないのでちゃんと表に出そう、と思い立ったので。
近江商人のライフログ、あるいは遺言状の下書き
1~4行の一言ログなのですが、近い人から言わせるとこちらの方がよほど上原っぽいブログだと言われます。
自分の思考の切れ端として、社員や友人など近い人たちに読んでもらえたらと思うので晒しておきます。
献本をいただいたのだがまだ読めていない本。
IT業界屈指のジャーナリスト・佐々木俊尚が徹底取材を元に上梓した「mixi」笠原健治、「はてな」近藤淳也、「paperboy&co」家入一真、「チーム☆ラボ」猪子寿之ほか、2010年のニッポンをリードするナナロク世代のRealStory!!
私が創業する前の76世代社長オタクだった頃だったら、よだれを垂らして発売即買い即熟読したであろう本。個人的にも「私はあなたのファンです!」と今でも言いたい人物たちのインタビューが、聞き上手・読ませ上手な佐々木俊尚さんの手で織り成されている。
上記リンク先にちょい見せで出ている猪子さんの章を読んだだけでもやばい。面白そすぎる。
でも私はまだこの本を読んでいない。なぜか。答えはシンプル。もう自分もプレイヤーだから。
人様の過去と現在を見て喜んでいる場合じゃないのです。彼らと切磋琢磨して共に未来を切り拓いていくことに可処分思考を費やさないと、ね。
この年末年始の期間は主に実家へ帰省していたのですが、その間、時間を見つけてはこの本を精読していました。
Amazon.co.jp: これから情報・通信市場で何が起こるのか 2008年版―IT市場ナビゲーター (2008): 本: 野村総合研究所情報・通信コンサルティング
野村総研さん発行のIT市場ナビゲーターシリーズの2008年版です。
ちょうど昨年のこの時期にも本書の2007年版についてのエントリーを上げていました。
冒頭の「Web2.0の潮流」という項を読んで、7つの要素で構造解説するところや進歩的性善説という和訳など、えらく自分と似てるな、とか、「市場拡大は一旦PCウェブからモバイルへシフト」という捉え方がシンクロしているな、と感じたりした
エスタブ視点から新興プレイヤーにおもねるようにウェブトレンドを追いかけることの大変さを滲み出させていた昨年までとは打って変わって、今年の版は冒頭から思い切り彼らの得意領域であるマクロ経済論からの大上段で攻めていらっしゃいました。
冒頭第1章は「少子高齢化による人口減少経済とグローバリゼーションの波を受けた日本のICT産業は、他国よりも早くこの波に対応してきたことを逆手に取って国際競争ならぬ国際共生の道を歩むべきだ。このご時勢、内部統制は何と言っても大事だぞ。電機メーカーは総合を捨てて選択と集中なんだ。ハゲタカ万歳。日本的経営は排除だ。パックスアメリカーナだ!」みたいなことをおっしゃってます。意訳です。もちろん間には「セカンドライフキターッと思って精力取材したんだけどどうすんだよこのゴミ原稿。ユーザーのウェブ参加に今年も新しい造語重ねてみたよ。そんでもやっぱ電波行政、特に地上波局保護利権がこの国のボトルネックっしょ」みたいな消費者寄りの話題も絡めていらっしゃいます。意訳です。
愛国商人であるところの上原としては前者の題目マクロな話も結構好きなので楽しみながら目を進めていきましたが、現実的な仕事人の方々の中には最初の20Pを読んで本棚行きにしてしまわれた方もいらっしゃるのではないかと邪推。でもそれは本当はもったいない。今回の版もいつも通りの秀逸な(一部最新市場以外についての)市場考察と、豊富な海外事例から読み取れる近未来はとても重要と思います。
そこはさておき、毎年何らかのアツい方向軸を持ってIT/ネットマーケット予測を展開していらっしゃった野村総研情報通信コンサルティング部の皆様からしても、USのサブプライム景況、ネットサービスのUS→日本のタイムマシンサイクルの終焉、モバイルキャリア市場の縮小開始、何となくハネ切らない既存領域、といった背景を受けて、一言で言えば
「2008年は特にアツいマーケットなし!」
という結論を下されたのかな、とかなり勝手な読み込みをさせていただいています。
市場観察の専門家の方々がこういう目線をお持ちになっているときこそ、プレイヤーである私たちの出番ですね。専門家もユーザーもエスタブな方々もがどこを向いたらいいかわからないでいるカオスな状況の中でこそ、ベンチャーな現場で動き回っているからこそ見えるユーザー・文化の流れをぴしゃりと捉える動きを取ってやろうじゃないか、という気になってきます。
個人的にも2008年の国内ネット市場は弾込めの年になるだろうと見ています。こんな時にマイネットのような身軽but弱小ベンチャーが取るべき戦略は『ウォッチ&ディープスロート』だな、と。

